熱中症とは

暑い環境や体温が下がりにくい環境で起こる身体の異常の事を熱中症と呼びます。

熱中症は野外で起こると思われがちですが、現在では室内でエアコンを付けずに寝てしまって熱中症に発症するという事もあります。

 

熱中症は症状によって4つに分類される

2017年以降これら4つは「熱中症」とひとくくりで呼ばれるようになっています。

熱失神(軽症度)

皮膚の拡張によって血圧が上がり脳血流が減少で起こるものでめまい、失神などが見られる。

熱失神は涼しいところに運び衣服を緩め、スポーツドリンクや経口補水液など水分補給をしっかり行えば通常は回復します。

熱けいれん(軽症度)

大量に汗をかき水だけを補給して、血液中の塩分濃度が低下した時に足、腹、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起きます。

熱けいれんは熱失神同様に、涼しい場所に待機させ水分補給を行えば自然に回復します。

熱けいれんの場合水分補給は生理食塩水(0.9%の食塩水)を補給するのがいいとされています。

熱疲労(中等度)

脱水による症状で脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気がみられます。

熱疲労も同じく、涼しいところに待機させ水分補給をすると回復します。

嘔吐等で水分が取れないときは点滴を受ける必要があります。

熱射病(重症度)

体温が著しく上昇し、中枢機能の異常をきたした状態で応答が鈍い、言語がおかしい、意識が無いなどの意識障害が起きます。

またこのような症状はすぐに医療機関で治療を受けないと死亡率が高いので要注意です。

熱射病死の危険がある緊急事態です。
すぐに救急車を呼び一刻も早く集中治療が出来る病院に運ぶ必要があります。

救急車が来るまでの応急処置として
・太い血管が通っている所を冷やす
・足を高くし、マッサージを行う

をするなどして体温を下げ意識を回復するよう心がけましょう。

 

熱中症が起こりやすい条件

温度差が激しい時

+7の温度差があると疲れやすくなります。

雨が降った次の日やクーラーをガンガンにきかせた室内から外に出る時などは要注意です。

梅雨明けをしたばかりの時

梅雨明けをしたばかりの時も気温が高くなってしまいます。温度差に気を付けましょう。

気温や湿度が高い時

気温が35、湿度80%を超える日は運動を控える。上記の数値を超えると熱中症にかかるリスクが高くなります。

暑さ指数(WBGTを確認するのもいいでしょう。

普段行わない環境で運動した時

運動のし始めやアスファルトでの運動は要注意。

日ごろ運動しないのに炎天下での運動や、照り返しの強いアスファルト上での運動は要注意です。

外での活動が連日続いた時の最終日前後

疲労と安心感から最終日の前後は熱中症リスクが高くなります。

最終日前後にこそ熱中症にかからないように気を付けましょう。

最終日前後は疲労と安心感から熱中症リスクが高まります。

 

指導する際の熱中症対策心得

十分な休憩と水分補給をさせる

こまめに休憩と水分補給を取らせましょう。

個人が水分を自由に飲める「自由飲水」強制的に水分を補給させる「強制飲水」の両方を併用するのがベストです。

徐々に暑さに馴れさせる

日ごろから暑さに馴れさせておきましょう。

熱中症は急激に気温が高くなったときに多く発生しています。

急に熱くなった日の運動は避け、暑さに慣れるまでの数日間は軽めの運動をしていくように心がけましょう。

個人に合った運動を

個人の体調を考慮して運動をさせましょう。

肥満傾向の方、暑さに慣れていない人、体力の低い人などは熱中症にかかりやすい傾向にあります。

個人の体調チェックや運動中の健康観察を行い、十分は予防措置をとるようにしましょう。

軽装を心掛け、帽子の着用を義務付ける

涼しい恰好、直射日光を浴びない工夫をさせてください。

通気性、吸湿性、速乾性に優れた服装を心がけ、直射日光を浴びない帽子の着用を義務付けるのもいいかもしれません。

具合が悪いと感じたら早めに中止、処置を

早めの行動が重大な事故を防ぎます。

体調の変化にいち早く気づき、運動の中止必要な処置を行うようにしてください。責任者、指導者には安全配慮義務があることを認識しておきましょう。

 

熱中症対策の具体例

遮光ネット、テントの設置

日の光を直接浴びることが無くなり、日陰を作ることで涼しくも感じます。

WBGT計の設置

気温、湿度、輻射熱から暑さ指数(WBGTを計ることが出来ます。運動をさせていいかどうかの指標になります。

大型扇風機、スポットクーラーの設置

ピンポイントに涼しい環境を作り出せます。

製氷機の設置

アイシングや冷たい飲料を作るときに役立ちます。

熱中症の注意喚起

指導者が熱中症の事を認識、熟知しそのことを子供たちにも伝えるようにしましょう。

消防職員からの熱中症対策の指導

時にはプロからの指導も必要です。
学校なら消防署と連携して学年集会時にお願いするのもいいかもしれません。

熱中症ハンドブックの作成

保健委員や保健室と連携してハンドブックの作成。学校側、指導者側から生徒にハンドブックの配布。

プリントではなくハンドブックを渡すことで特別感を与え、しっかりと目を通してくれるようになります。

 

まとめ

熱中症は個人で管理するものではなくて周りの大人が子どもの体調をしっかり見てあげ、適切な対応と予防対策を講じる必要があります。

天気がいい日、気温が高い日は熱中症に気を付けさせ、怪我事故の無いように心がけましょう。

 

 

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